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〜グレがクミに宛てた手紙〜
今日、クミの世界からお客さんがきたで。
なんでも、「未来の世界のネコ型ロボット」と名乗る奇妙な奴と、
その仲間らしき子供たち4人や。子供たちは、クミよりほんの少し
お兄さん・お姉さんやった。男の子三人、女の子一人。
この、ネコ型ロボットとかいうのがクセモンや。
本人はネコというが、どう見てもタヌキにしか見えへん。怪しい奴や。
ウエハースに言っても、「おまえが他人の事いえるか」の一点張りや。
いっそ、ワッフルとトルテに、研究材料として差し出してやろうかとも考えた。
未来の科学先取りやで。そっちの世界で言う、ノーベル賞もんや。
しかし、このタヌキねこに対して、通じ合えるものをみつけたんや。
なんでもな、このタヌキねこ、もともとの色は黄色だったらしい。
でも、ある日ネズミに耳をかじられ、その時のショックで青くなってしまった
ということなんや。
「手芸屋に生地がなかった」というだけの理由で、本来の色ではなくなって
しまったわしには、何となく親しみのわく話やな。
打ち解けたあとは、なんやヘンテコリンなプロペラみたいなものを頭に付けて
空を散歩したで。途中、ソリに乗ったサブレに会ったが、驚いとったで。
歳の近いお姉さんもいたのでミルフィーユも喜んどった。眼鏡の男の子に、毛糸を
つかった「あやとり」という遊びも教えてもらってたし。あれはお城で一人で出来るのでええな。
しかし、たぬきネコが来た「未来」っていつのことなんやろ。
こちらとそちらでは時間の流れも違うし。解れへん。
ウイロウのじいちゃんに計算してもらおうかと思うたが、あの人の計算は
ややこしいのでやめた。また、空間のゆがみがどうのこうの言い出されてもなあ。
ほな、さいなら。
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