ゲームの作り方 基礎編



ゲームを作る前の準備

 「ゲームを作りたい」と思っても、すぐに作り始められるわけではありません。
 ゲームを作る前に、やることがあります。まずは、それを説明していきます。


用意するモノ

 ゲーム製作をする前に、用意するものを書きます。
 パソコン(Windowsマシン)でコンピュータゲームを作ることを前提に説明します。


パソコン(ハードウェア)

 当たり前ですが、パソコンが必要です。最低限これがないと話になりません。
 Windows(ウィンドウズ)が動く、あまり古くないパソコンを用意してください。
 Windows以外に、Macintosh(マッキントッシュ)やLNUX(リナックス)などでゲームを作ることも、出来なくはないですが、とりあえずここでは、Windowsを使うことを前提とします。

 古くないパソコンが良い、というのはなぜかと言うと、色々理由がありますが、例えば下記のようなものです。
 1.ゲーム開発に使うソフトの中には、パソコンに高い処理能力を要求するものがある
 2.古いパソコンは、多くのプレイヤーの使っているパソコンと異なる
 3.処理能力の高いパソコンの方が、効率よく作業できる

 「古くない」というのは、どの程度までなら良いとは一概には言えませんが、発売から3年くらいまでなら大丈夫でしょう。
 もちろん、それより古いパソコンでも、作るゲームの内容によっては、十分使えます。
 また、単に新しいだけでは、十分でない場合もあります。使うソフトによって必要な条件が変わりますので、ソフトにあわせて、条件を満たす機器を用意する必要があります。


ソフト(ソフトウェア)

 ゲームを作るのに使うソフトが必要です。
 ゲーム製作には、色んなソフトを使いますが、インターネットを使えるなら、ほとんどすべて、無料で手に入ります。
 下記で、ゲーム製作に役立つソフトを紹介していますので、参考にしてください。(現時点で、全てのソフトを準備しなくても良いです。徐々に揃えていきましょう)

 ゲーム製作に役立つソフト


インターネット(通信環境)

 ここでは、インターネットに接続できることを前提に話をします。
 この文書を読んでいるということは、インターネットに接続できるということですから、問題は無いでしょう。
 できれば、ブロードバンドが良いです。ゲームは、大量のデータを扱うことが多いので、高速な通信ができる環境が無いと、時間がかかって大変です。


習得しておく知識

 ゲームを作るためには、ある程度知識が必要です。
 基本的な知識が無いままゲームを作り始めても、分からないことだらけでうまくいきません。
 最低限、下記のような知識は身に付けておきましょう。


パソコンについて


パソコンの基礎知識
 パソコンを使ってゲームを作るのですから、パソコンの基礎知識が無いと困ります。
 下記に、初心者向けのパソコン入門ページを紹介します。パソコンの扱いに自信がない人は、参考にしてください。

姐さんのためのパソコン教室
パソコン初心者の為のページ
windows入門
ワニchanのびぎなーずがいど
超・超初心者のためのパソコン講座


パソコンのスペック
 パソコンについて、覚えておかなければならない知識に、スペックがあります。
 スペックとは、パソコンの仕様、性能などをまとめたデータです。例えば、下記のような感じです。

CPU:Intel Pentium4 1.5GHz
メモリ:256MB
ビデオ:解像度1024×768、True Color
HDD:80GB

 このスペックは、ゲームソフトや、ゲーム製作に使用するソフトが、快適に動くかどうかに関わってきます。
 自分のパソコンのスペックを知っておかないと、ソフトが動くかどうか判断できませんので、ちゃんと知っておいてください。
 自分のパソコンのスペックが分からないという人は、DirectX(ダイレクトエックス)診断ツールを起動させてみましょう。(ちなみに、DirectXは、Windowsでゲームをする際に必要になることが多いシステムです。大抵のパソコンには、最初から入っています)

●DirectX診断ツールの起動のさせ方
 1.「スタートボタン」をクリック
 2.「ファイル名を指定して実行」をクリック
 3.名前のところに「DXDIAG.EXE」と書いて「OK」ボタンをクリック
 これで起動します。

たくさんの情報がありますが、重要な部分だけ説明します。 

◆システム
  プロセッサ:
   CPUのことです。種類と動作周波数が表示されます。
   とりあえず、動作周波数だけ覚えておきましょう。
   これは、パソコンの処理速度を表す数値です。
   最近のパソコンの動作周波数の単位は、MHz(メガヘルツ)か
   GHz(ギガヘルツ)です。
   GHzは、MHzの千倍ですので、1GHzと言った場合、1000MHzと
   同じくらいだと思ってください。
   パソコンのソフトの必要スペックには、「CPU:450MHz以上」
   などと書かれています。
   この場合、自分のパソコンのCPUの動作周波数が、450MHz以上
   であれば、動くということになります。 

  メモリ:
   登載されているメモリの量です。
   メモリの単位は、MB(メガバイト)です。
   パソコンのソフトの必要スペックには、「メモリ:64MB以上」
   などと書かれています。
   その場合、自分のパソコンのメモリが、64MB以上であれば、
   動くということになります。   
  
  DirectXバージョン:
   DirectXのバージョンです。
   ゲームによっては、DirectXのバージョンを指定しているもの
   もあります。


◆ディスプレイ
  ディスプレイのモード:
   画面の解像度と色数が表示されます。

  その他、DirectXのディスプレイ関係のテストが出来ます。


◆サウンド
  DirectXのサウンド関係のテストが出来ます。


圧縮と展開
 ゲームのデータをやり取りしたり、ネットで配布したりする場合、ファイルの圧縮を行うことがほとんどです。
 ファイルの圧縮と展開(解凍)が出来ないと、ファイルのやり取りがしにくいですし、ネットで配布されているゲームや、ツールソフトなどを使うこともできません。
 圧縮ソフトを手に入れて、圧縮と展開が出来るようにしておきましょう。

 ちなみに少し解説しておくと、圧縮とは、ファイルのデータを整理したりして、ファイルサイズを小さくすることです。また、複数のファイルやフォルダをまとめてひとつのファイルにしてしまうこともできます。
 展開(解凍)とは、圧縮したファイルを元に戻すことです。

 圧縮・展開するソフトをアーカイバと言います。
 オススメのアーカイバを紹介しておきます。

Lhaplus


ファイルについて
 ゲームのデータはすべてファイルという形で保存されます。ということは、ゲームは、ファイルの集合体なのです。
 ですから、ファイルを編集したり、保存したり、コピーしたりといった操作を確実にできるようになっておかなければなりません。
 ファイル操作は、パソコンの基礎ですから、基本的には、ゲーム制作以前に、パソコンの基礎として学んでおいてください。
 ここでは、特に知っておいてほしいことだけ書いておきます。


◆バックアップ
 ファイルを、コピーして保存しておくことを、バックアップと言います。
 なぜ、バックアップするのかと言えば、何らかの原因でファイルが破損したり消えたりした時、バックアップコピーがあれば、少なくともバックアップを取った時点の状態には、復元できるからです。
 
 ゲームを作る場合、ゲームのデータファイルをバックアップしておくことは、必須と言えます。なぜなら、基本的にゲームを作るのには、時間と手間がかかるからです。
 もし、1年かけて作ったゲームのファイルが消えてしまったら、どうしますか? おそらく、相当なショックを受けるでしょう。もう一度作り直す気力など、出てこないも知れません。
 しかし、バックアップコピーがあれば、そのファイルを元にまた作り始めることが出来ます。もし、昨日バックアップしたばかりなら、被害は最小限で済みます。一週間前でも、一週間分の作業が無駄になっただけで済みます。1年分の苦労が水の泡になるより、よほどましです。
 ですから、ゲームを作るときは、必ずバックアップをとっておきます。

○バックアップ方法その1 他のフォルダにコピー
 一番簡単なのは、ハードディスクにバックアップ用のフォルダを作って、そこにゲームのファイルを全部コピーすることです。
 簡単な方法ですが、その分不完全な方法でもあります。ハードディスクの破損などで、ハードディスク自体が壊れた場合、バックアップもいっしょに失われるからです。
 ハードディスクが2つ以上あるなら、別のハードディスクにコピーすれば、より安全です。ただし、パソコンの盗難や、ウィルス感染などで、全部のデータが失われた場合、どうしようもありません。


○バックアップ方法その2 リムーバブルディスクにコピー
 CDやDVDなど、パソコンから取り外せるディスクにコピーし、保管しておきます。
 この方法なら、パソコンやハードディスクの故障にも対応できます。また、上書きできないメディアなら、ウィルス感染やウィルスによるファイル破壊も防げます。盗難には、完全に対処できないですが、金庫に入れておくとか、保管場所を遠く離れたところにするなどすれば、守れる確率は増えます。


○バックアップ方法その3 サーバにアップロード
 インターネットのサーバー、HPスペースなどに、アップロードします。
 かなり離れた場所の、別のコンピュータのディスクにコピーすることになるので、そういう意味ではとても安全です。
 その代わり、自分の管理しているパソコンではないですし、アップロードにもある程度時間がかかります。特に遅い回線を使っている人にとっては、現実的な方法ではありません。

 以上のような方法を、複数組み合わせてバックアップするのがいいと思います。
 例えば、毎日のバックアップは「他のフォルダにコピー」で、行い、一週間に一度「リムーバブルディスクにコピー」をする、といった感じです。
 また、バックアップソフトというものもありますので、活用するといいでしょう。より、複雑な設定のバックアップが、簡単にできます。(例えば、圧縮してバックアップ、差分のみバックアップなど)
 バックアップソフトは、フリーでもありますので、探してみると良いでしょう。


◆拡張子
 Windowsでは、ファイル名に拡張子をつけるのが一般的です。
 拡張子とは、ファイル名のピリオドの後ろの文字です。例えば、"test.txt"というファイル名なら、"txt"が拡張子です。
 拡張子は、ファイルの種類を表すもので、"txt"は、テキストファイル、つまり文字のみのファイルのことです。
 他のファイルにも、色んな種類があり、それぞれ拡張子が決まっています。拡張子によって、ファイルの種類を判別することが多いので、拡張子と言うものが存在することを覚えておくといいでしょう。

 なお、Windowsの設定によっては拡張子が表示されないことがありますので、表示できるように設定を変えておくと良いでしょう。
 設定方法は、下記の通りです。

1.スタートボタン→コントロールパネルの順にクリックし、コントロールパネルを表示する

2.コントロールパネル内に、「デスクトップの表示とテーマ」と表示されていればそれをクリック(表示されてなければ次へ)

3.フォルダオプションというアイコンをクリック(またはダブルクリック)して開く

4.フォルダオプションの設定画面で、「表示」というタブをクリック

5.「詳細設定」の下のほうに「登録されている拡張子は表示しない」という項目があるので、このチェックボックスのチェックをはずす

6.OKボタンをクリック

7.設定完了


インターネットについて

 

インターネットの基礎知識
 近年、インターネットは、ゲーム製作に欠かせないものになっています。
 インターネットを活用すれば、無料で良いソフトを入手できますし、参考になる情報もたくさん得られます。
 自分でゲームを作ったら、インターネットで配布することにもなるでしょう。
 しかし、インターネットには、独特なルールがあります。インターネットを利用する前に、基本を学んでおきましょう。
 下記に、初心者向けのインターネット入門ページを紹介します。インターネットの知識に自信がない人は、参考にしてください。

初心者がだいたい分かるインターネットのしくみ
子どもたちのためのインターネット入門ガイド
ネットマナーについて考えよう会。
毒吐きネットマナー。


検索で情報を得る
 インターネットの利用で、特に初心者の方に覚えて欲しいのが、検索です。
 インターネットは、情報の宝庫です。ゲーム作成関連の情報も大量にあります。しかし、どこにあるか分からなければ、その情報を得ることは出来ません。
 情報がどこにあるかを探のに、最も手っ取り早い方法が、検索です。

検索サイトは色々ありますが、とりあえず下記のGoogleで良いでしょう。
Google

 ここで、キーワード検索をして、情報を探します。
 例えば、RPGツクール2000用の素材が欲しいなら、「ツクール 素材」というように、キーワードをスペースで区切って検索します。
 もっと、詳しく検索したければ、例えば、「ツクール 素材 顔グラフィック」というように、キーワードを付け足していきます。
 この、キーワード検索で、かなりの情報が得られますので、是非活用してください。


 また、辞書検索というものもあります。
Goo辞書

 国語、英和、和英と、基本的なものは揃っていますので、普通の辞書検索には十分でしょう。


著作権について

 著作権とは、創作物に関する権利です。著作権法という法律があり、創作物を作った人や創作に関わった人などの権利が保護されています。

 法律の話など難しいと思うかもしれませんが、知っておかないと、知らないうちに法に触れてしまったり、大きなトラブルに巻き込まれることもありますので、基本的なことは覚えておきましょう。
 なお、ここで述べることは、著作権の概要や原則です。詳しい法律の内容については、専門家に相談してください。(最後で著作権に関するサイトも紹介しています)


 あなたがゲームを作った場合、著作権が発生することになります。申請や登録は、必要ありません。日本の法律では、創作物を作った時点で、自動的に著作権が発生します。
 また、販売しているか、無料で配布しているか、といったことは関係ありません。例え、フリーウェアでも、著作権は存在し、作者が許可しないなら、勝手にコピーしたり、配布したりできません。

 著作権は、他の人が作ったものにも存在します。
 従って、他人の創作物(絵でも音楽でも文章でもプログラムでも)を、無断でコピーしたり利用したり配布したりすれば、罪に問われる可能性があります。(著作権法に違反すると、最高で3年以下の懲役又は300万円以下の罰金という、けっこう重い罰則があります。また損害賠償としてもっと巨額の請求をされることもあり得ます)

 インターネットには、無断コピーが氾濫しているため、つい勘違いしてしまいがちですが、インターネットであっても、個人運営のサイトであっても、無断コピーは犯罪になる可能性があります。

 ゲームを作っていこうと考えるなら、著作権には、十分注意しなければなりません。でないと、罪に問われることになるかもしれませんし、そうならなくても、他の人に非難されたり嫌われたりします。
 ゲームを作る上で、特に注意する点をあげてみます。


◆漫画やアニメなどの設定やキャラクターをゲームで使う
  こういうものは、二次創作などと呼ばれています。
  多くの人が、二次創作の作品を作っているため、なんとなく
  許されているように思えますが、ほとんどの場合、黙認され
  ているか気付かれていないだけで、許可されているわけでは
  ありません。
  場合によっては、訴えられることも有り得ます。
  特に危険なケースをあげてみましょう。
  ・元の作品のイメージを傷つけるようなことをする
  ・経費を回収する以上の収益をあげる
  ・著作権侵害に厳しい人や会社の作品を使う
  ・不特定多数の人にばら撒く
  ・著作権侵害を助長するようなことをする

  もちろん、上記のようなことをしなくても、他人の作品を
  勝手に使えば、訴えられる可能性はあります。
  無断使用をしないのが、一番良いです。


◆二次配布・二次使用
  他の人のゲームから、素材を抜き出して使ったりすることを
  二次使用などと言います。
  多くのゲームは、素材の二次使用を禁止していますので、注
  意しましょう。
  フリーウェアであっても、作者が許可しないなら、二次使用
  してはいけません。
  特に、アマチュア作家に対する著作権侵害は、他のアマチュ
  ア作家から嫌われます。注意しましょう。


◆規約違反
  ゲームは、1から10まで全て一人で作るというのは、なかな
  か難しいものです。
  従って、他の人が作ったソフトや素材などを使わせてもらう
  ことがあります。
  その場合、大抵は規約があって、定められた決まりを守って
  使わなければなりません。
  この決まりを守らないと、規約違反になるわけです。
  フリー素材などを使う場合は、規約違反にならないよう、十
  分注意しましょう。


◆盗作
  他人の作品の一部、または全部をコピーして、自分の作品の
  ようにして発表することを、盗作と言います。
  盗作は、まず間違いなく、大きな問題になります。絶対にし
  てはいけません。
  また、盗作までいかなくても、参考にするとか真似るという
  ことはあると思います。
  これも程度の問題で、あまりにもオリジナリティが無いと、
  盗作と同じような扱いを受けますので、注意が必要です。


 著作権に関するサイトです。良かったら、参考にしてください。
著作権のひろば
(社)コンピュータソフトウェア著作権協会


ゲームについて

 ゲームを作るのですから、ゲームについての基本的な知識も必要です。
 これを身につけるには、やはりまずゲームをプレイしてみることでしょう。
 幸い、インターネットでフリーのゲームがいくらでも手に入りますので、プレイして勉強してください。

 もちろん、ゲームをプレイするだけでは、ゲーム製作に関する詳細な知識は、身に付きません。詳細な知識に関しては、今後別の文書で解説していく予定です。(いつになるか、分かりませんが)



Last Updated : 2006-5-23

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