熊でもわかるRGSS講座 初級編

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 なあ、じいちゃん。そもそも、オブジェクトってなんなんや?
 RGSSでは、すべてのデータを、オブジェクトと呼ぶんじゃ。
 すべてのデータ?
 うむ。今までに、いろんなデータを扱ってきたのう。数値や文字列や画像などじゃ。
 うん・・・。
 それらのデータを、すべてオブジェクトと呼ぶんじゃ。
 なんで、ただのデータじゃあかんの?
 うむ、そこがポイントじゃのう。つまり、オブジェクトと言うのは、ただのデータを超えた概念なんじゃ。じゃから、データとは呼ばず、オブジェクトと言うのじゃ。
 ほう・・・どこらへんが、データを超とるんや?
 オブジェクトとは、簡単に言えば、データそのデータを操作するプログラムをひとつにまとめて、セットにしたものなんじゃ。
 ほう・・・。
 分かったか?
 分からん。
 そうじゃろうな。では、実例を挙げて説明するかのう。
 おっしゃ! 実例来い!
 さっき、数値や文字もオブジェクトだと言ったのう。ということは、例えば、5という数値もオブジェクトなわけじゃ。
 うん。
 もしこれが、単なるデータなら、単なる5でしかないわけじゃが、RGSSではオブジェクトじゃから、オブジェクトに含まれておるプログラムを実行して、データを操作できる。
 ふん・・・。どんな操作が出来んの?
 例えば、to_f というプログラムがある。これは、整数を浮動小数点数に変換するプログラムじゃ。試しに実行してみい。
 どうやって書けばええのん?
 では、例によって、スクリプトエディタを開いて、セクション『Main』を表示するんじゃ。そしてこう書くのじゃ。

7
8
9
begin
   p
5.to_f

 5というオブジェクトの中の、to_fというプログラムを実行したかったら、このように、. (ピリオド)で区切って、5.to_fと書くのじゃ。
 pは表示命令やから、これで、5.to_fを実行した結果が表示されるわけやな。
 そのとおりじゃ。やってみい。
 ほな、実行・・・と。



 お、5.0て出た。
 うむ。to_fは、浮動小数点数に変換するプログラムじゃから、55.0になったわけじゃな。
 なるほど・・・。
 では、次は文字列でやってみるかのう。これはどうじゃ?

7
8
9
begin
   p
"abcd".upcase

 upcaseってなに?
 アルファベットの小文字を大文字に変換するプログラムじゃ。
 やってみよ。



 おお、大文字になったで。
 どうじゃ。これで、RGSSの数値や文字列が、単なるデータでは無いことが分かったじゃろう?
 うん、データにプログラムが含まれとるんやな。
 そう、それがオブジェクトなんじゃ。
 なるほど・・・そやけど、そのプログラムって、どこに書いてあんの? わし、書いた覚えないけど。
 うむ、数値や文字列は、組み込みクラスと言って、最初からRGSSに組み込んであるんじゃ。
 お! やっとクラスが出てきた!
 うむ。実は、クラスというのは、オブジェクトの種類のことなんじゃ。数値や文字といった基本的なクラスは、最初から組み込み済みなんじゃよ。
 なるほどな。
 ツクールのヘルプを見ると、組み込みクラスの一覧があるぞい。
「RGSSリファレンス→標準ライブラリ→組み込みクラス」を見ると良い。
 ほー、いっぱいあるな・・・。
 ここに、各クラスに含まれるプログラムも書いてある。メソッド、という項目じゃな。
 お、メソッドも出てきた。
 うむ、メソッドというのは、オブジェクトの中のプログラムのことなんじゃ。
 そうすると、to_fもupcaseもメソッドなん?
 そうじゃ。
 なるほどなあ、やっと謎が解けたで。
 別に謎ではないがな・・・。
 うーん、これでクラスもメソッドも分かったし、なんやレベルアップした気分やで。
 これこれ、まだほんの入り口に来たばかりじゃ。調子に乗るのは早いぞ。
 そうなん?
 うむ、では明日は、クラスとメソッドについて、もう少し詳しくやるかのう。
 うん。



 本日のおさらい
・RGSSのすべてのデータは、オブジェクト
・オブジェクトは、データとプログラムがセットになったもの
・オブジェクトの種類をクラスと言う
・オブジェクトの中のプログラムをメソッドと言う

 次の章は
第2章 クラスとメソッド

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